【監察医 朝顔2】第1話の感想・ネタバレ/当たり前の日常の愛おしさを教えてくれる

法医の娘と刑事の父と夫がつむぐ命の物語 歩道橋事故に隠された真実とは…

放送日:2020.11.2/視聴率:13.8%

万木朝顔(上野樹里)は、神奈川県にある興雲大学法医学教室に勤める法医学者。野毛山署強行犯係の刑事である父親の平(時任三郎)、夫で、平の元部下だった神奈川県警捜査一課の刑事・桑原真也(風間俊介)、そして5歳になる娘のつぐみ(加藤柚凪)と一家四人、笑顔が絶えない幸せな日々を送っている。ある朝、朝顔たちが朝食をとりながら話をしていると、ふいにつぐみが「弟が欲しい」と言い出す。気まずい空気の中、仕事に出かける平と桑原……。

朝顔もつぐみを保育園に送り届けると、いつものように興雲大学へと向かった。するとその途中で朝顔は、立体歩道橋で発生した群衆雪崩の事故現場に遭遇する。大きなイベントが予定されていた近くのスタジアムで突然火災報知器が作動し、逃げようとしてパニックになった人々が立体歩道橋に殺到したために起きた事故だった。

朝顔が興雲大学へと急ぐと、法医学教室では安岡光子(志田未来)、高橋涼介(中尾明慶)、藤堂絵美(平岩紙)、藤堂雅史(板尾創路)らもテレビのニュースで群衆雪崩の現場映像を見ていた。20名が病院に搬送され、うち死者4名、意識不明の重体1名の大参事だった。主任教授の夏目茶子(山口智子)は海外出張で不在だったが、法医学教室にはすぐに解剖の依頼が入った。

同じころ、平は、野毛山署強行犯係の森本琢磨(森本慎太郎)や山倉伸彦(戸次重幸)ら同僚や、県警の桑原、検視官の丸屋大作(杉本哲太)らと連携して、事故の原因を調べ始める。だが、奇妙なことにスタジアムでは火災が発生していなかった上、現場では異臭がしたという証言もあり、実際に被害者の中にはけいれんや意識障害など、化学薬品を吸引したと思われる症状を訴える者もあった。また、事故が起きる直前、金髪の男性が騒いでいたという複数の証言も得られていた。

あくる日、群衆雪崩で妻を失ったという金髪の男・佐藤祐樹(松田元太)が、事故現場でマスコミの取材に応じる。そこで祐樹は、これは事故ではなく殺人だ、と訴え……。

番組HPより

監察医 朝顔2第1話 感想 ※ネタバレ注意

とても優しくあたたかくて、当たり前の日常の愛おしさを静かに教えてくれるドラマです。

2019年にシーズン1が放送され、監察医の朝顔と父・平が解剖や捜査により事件を解決すると共に残された人々の心も救っていく人間ドラマでした。同時に、二人が東日本大震災でかけがえない家族を失った過去を背負いながら、周りの人たちに支えられつつ前に進んでいく姿が描かれていました。

今話の最後のシーンで、沼で母親の手がかりを探す朝顔を見た時に、人々の震災はまだ終わっていないのだと痛烈に感じました。9年が経ち、表面的には落ち着いたように見える東日本大震災ですが、朝顔たち被災者の心の傷は完全に癒ることはないのかもしれません。

大切な人を失った朝顔たちだからこそ、目の前の人の死に真摯になれる、とこのドラマは語っているように感じます。朝顔と父・平は失った家族・里子を思いながら、遺族など残された人々の心に寄り添い、桑原君やつぐみちゃんたちと一緒に日々を大切に紡いでいきます。

特に娘のつぐみちゃんを囲む家族のやりとりがとても愛おしいです。演劇会でつぐみにセリフを言わせるために奮闘する平さんと桑原君や、「ピーマンを食べたら弟くる?」というつぐみの質問に三人で顔を合わせて困っているエピソードなど。クスッと笑ってしまいます。

そういった何でもない暖かな日常が自然に描かれているからこそ、最後の朝顔のモノローグがとても印象的に響きました。

ー今日、普通に生活していることがどれだけ幸せなことか。その事を私はちゃんとわかっていると思っていた。それなのにこの時の私は気づいていなかった。私たち家族に残された時間がそう長くはない事を。

ドラマの中で描かれる生活は、とてもふつうの日常です。ですが、失った時にそれがいかに幸せだったかを思いしる日常なのだと思います。

奇しくも、私たちは新型コロナに見舞われ、実生活の中で”普通の日常”を失いました。そして、それがいかに幸せだったかを知りました。2011年の震災も、コロナも、現象は違いますが、当たり前に持っていた日常を失うという意味では同じです。

朝顔たちは、痛みを抱えながら、夕食を作り、洗濯をし、働き、家族を作り、普通の日常を重ねて前に進んでいきます。私たちもまた当たり前の日々を重ねていくことで、普通の日常を取り戻すことができるということを教えてくれているのではないでしょうか。

監察医として人の死に寄り添い、亡くなった人の思いを汲み取り、遺族や残された人に返していく朝顔。刑事として事件に向き合う平、桑原君の誠実な姿も毎回胸を打ちます。第一話では、朝顔たちが、息子が母に向けた優しい思いを明らかにしてくれました。また、茶子先生をはじめとして個性豊かな登場人物たちも魅力的です。

月9史上、初めての2クールドラマとしても期待しつつ、人の痛みに寄り添いながら命をめぐる家族の物語を滋味深く味わいたいと思います。

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