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【監察医 朝顔2】第1話の感想・ネタバレ/当たり前の日常の愛おしさを教えてくれる

監察医 朝顔2第1話 感想 ※ネタバレ注意

とても優しくあたたかくて、当たり前の日常の愛おしさを静かに教えてくれるドラマです。

2019年にシーズン1が放送され、監察医の朝顔と父・平が解剖や捜査により事件を解決すると共に残された人々の心も救っていく人間ドラマでした。同時に、二人が東日本大震災でかけがえない家族を失った過去を背負いながら、周りの人たちに支えられつつ前に進んでいく姿が描かれていました。

今話の最後のシーンで、沼で母親の手がかりを探す朝顔を見た時に、人々の震災はまだ終わっていないのだと痛烈に感じました。9年が経ち、表面的には落ち着いたように見える東日本大震災ですが、朝顔たち被災者の心の傷は完全に癒ることはないのかもしれません。

大切な人を失った朝顔たちだからこそ、目の前の人の死に真摯になれる、とこのドラマは語っているように感じます。朝顔と父・平は失った家族・里子を思いながら、遺族など残された人々の心に寄り添い、桑原君やつぐみちゃんたちと一緒に日々を大切に紡いでいきます。

特に娘のつぐみちゃんを囲む家族のやりとりがとても愛おしいです。演劇会でつぐみにセリフを言わせるために奮闘する平さんと桑原君や、「ピーマンを食べたら弟くる?」というつぐみの質問に三人で顔を合わせて困っているエピソードなど。クスッと笑ってしまいます。

そういった何でもない暖かな日常が自然に描かれているからこそ、最後の朝顔のモノローグがとても印象的に響きました。

ー今日、普通に生活していることがどれだけ幸せなことか。その事を私はちゃんとわかっていると思っていた。それなのにこの時の私は気づいていなかった。私たち家族に残された時間がそう長くはない事を。

ドラマの中で描かれる生活は、とてもふつうの日常です。ですが、失った時にそれがいかに幸せだったかを思いしる日常なのだと思います。

奇しくも、私たちは新型コロナに見舞われ、実生活の中で”普通の日常”を失いました。そして、それがいかに幸せだったかを知りました。2011年の震災も、コロナも、現象は違いますが、当たり前に持っていた日常を失うという意味では同じです。

朝顔たちは、痛みを抱えながら、夕食を作り、洗濯をし、働き、家族を作り、普通の日常を重ねて前に進んでいきます。私たちもまた当たり前の日々を重ねていくことで、普通の日常を取り戻すことができるということを教えてくれているのではないでしょうか。

監察医として人の死に寄り添い、亡くなった人の思いを汲み取り、遺族や残された人に返していく朝顔。刑事として事件に向き合う平、桑原君の誠実な姿も毎回胸を打ちます。第一話では、朝顔たちが、息子が母に向けた優しい思いを明らかにしてくれました。また、茶子先生をはじめとして個性豊かな登場人物たちも魅力的です。

月9史上、初めての2クールドラマとしても期待しつつ、人の痛みに寄り添いながら命をめぐる家族の物語を滋味深く味わいたいと思います。

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