【ただ離婚してないだけ】第12話(最終回)の感想・ネタバレ/素晴らしいタイトルの伏線回収が見事

ただ離婚してないだけ 第12話

ただ離婚してないだけ第12話 感想 ※ネタバレ注意

ついに最終話。正隆はどんな決断をするのか。夫婦はどうなってしまうのか。注目の結末は切なさの中にも希望を感じる感動的なラストとなりました。

前回、仁科から脅された正隆たち。「受け渡しの時にあいつらを殺そう。今回が最後。もう後戻りはしない。」と雪映は話しました。家の中から刃物を寄せ集め、マットレスを相手に殺人の練習をする正隆からは選択肢はこれしかないのだと自分に言い聞かせているように見えました。刺しても刺してもその手を止めず、ふと鏡に映る自分の顔の醜さに絶望した正隆。正隆は本当に仁科たちも殺すことができるのでしょうか。

ところ変わって、弟の利治と会った正隆は、父の遺言を聞かされました。お前の本当の父親でありたかったという父の後悔と私のような道を辿らないよう偽りなく生きてくれと言う願いを聞き、涙を流す正隆。仁科を殺すという大きな出来事を前に、父の言葉が正隆の心をさらに大きく揺るがしたと思います。

その後、帰宅してからの夕食。きゅうりのお漬物は今日も変わらず食卓にあります。「美味しいよ、ありがとう。」何か言い出したいのに言い出せない様子の正隆から出た言葉は雪映に向けられた感謝の言葉でした。この時、正隆の心はきっともう決まっていたのでしょう。

そして、待ち合わせ場所に向かう正隆。鞄には偽装した1億と包丁が。行ってくるって来ると雪映の手を握り、キスをして「信じろ、全部上手くいく。」正隆のこの言葉通り、物語は急展開を見せました。

なかなか帰ってこない正隆を待つ雪映の気持ちを思うともどかしく、正隆を泣きながら探す絶望を思うと胸が痛みました。正隆が出頭したというニュースを聞き呆然とする雪映は直後に破水してしまいます。

「俺はやっとわかった。父と弟を恨み、挫折にしがみつき、自暴自棄に生きて、自分がどれだけの人を自分に巻き込んだのか。誰のせいでもなく、自分で引き起こした。」

不倫の末に妊娠・中絶させた萌が亡くなり、遺体を埋め、佐野を監禁して‥。また唯一の味方でもあった雪映に対しても辛く当たっていた日々。殺人の末に取り戻した夫婦の絆と新しい命。自分のやってきた罪や汚れが、どうか断ち切れますようにと願い、償いを受ける覚悟を決めた正隆。自首という形でようやく終わりを迎えたように思います。また、蒼介に5億の小切手を渡したのは、弟のことを何より大事にしていた萌に対してのせめてもの償いなのかなとも思いました。

留置所に面会に来た雪映と赤ちゃん。直接触ることは出来ないけれど、ガラス越しに手を触れ合った正隆は今まで見るどんな笑顔よりもいい顔をしていましたね。「もう二度とあなたには会わない。でも、私はあなたの妻。この子はあなたの子どもだから。」と渡された離婚届を破く雪映は厳しい道を選びながらも母として、妻としての覚悟を改めて見せたように思いました。どんなに辛い時も、ずっと正隆の妻として正隆を支えてきた雪映。この強さがあるならば今後どんなことにも負けず生き抜けるように思います。

「私今幸せだよ。」「俺も今幸せだ。」このドラマの中で正隆から幸せだと言う言葉が聞けるなんて思いもしませんでした。罪に向き合い、雪映と向き合い、父や弟ともしっかり向き合えたからこそ感じられる幸せだろうなと感じます。悲しくて辛く、決していい出来事やでは無かったけれど、正隆が偽りなく前を向いて進み出したことが唯一の救いかもしれません。

「もう二度と君と会うことは無くても。もう二度とあなたと会うことは無くても。俺たちは、私たちは、夫婦。ただ離婚してないだけ。」

正隆は罪を償い、雪映と生まれてくる子供を守った。雪映もそんな正隆の意思を汲み、1人で育て上げることを誓った。ハッピーエンドではないけれど、決してバッドエンドでもない結末。正隆と雪映が再び会うことはないのかもしれませんが、何年か後の2人の様子を見てみたいとすら思わせてくれる素晴らしい作品でした。

『ただ離婚してないだけ』というタイトルも、初回では離婚してないだけで壊れ切った夫婦を表しているものだという印象でしたが、最終話で与えるそのイメージはがらりと変わりましたね。子供を守るために二度と合わない決めた正隆と雪映。だけど夫婦はずっと夫婦であり、離婚しない形を取りながらも、そこには愛や絆、罪の意識があるということ。タイトルの伏線回収が本当にお見事でした。

暴力的シーンも多く、目を瞑りたく程の恐怖が毎回のようにありましたが、全話通して、正隆の気持ちの変化には目を見張るものがあり、最後の最後まで目が離せない展開でした。正隆演じる北山さん、雪映演じる中村ゆりさん、佐野役の深水さんなど俳優陣の演技の素晴らしさもそれを後押ししていましたよね。

そしてなにより、偽りなく生きることで幸せを見出した正隆のように真っ直ぐ生きていかなければとこの作品から教えられたように思います。

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